歴史マニアのための魏晋南北朝史~歴史の真髄〜

三国時代から西晋、八王の乱、永嘉の乱、そして東晋と五胡の時代へ。

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太公望呂尚は異民族なのに「異民族」ではない。

【春秋時代:各諸侯の爵位】

公・・・宋・虞・虢

侯・・・魯・斉・晋・陳・衛・蔡など

伯・・・鄭・秦・燕・曹など

子・・・楚・呉・越など

男・・・許など

 

・斉を建国した太公望は異民族なのに異民族ではない。

 

子爵は異民族に与える爵位である。(「周礼」(しゅらいと読む))

周から見て、楚・呉・越は異民族ということになる。

 

ということはであるが、

斉は侯爵なので異民族として扱っていない。

太公望呂尚は、姜尚と呼ばれるように、

姜族の出身である。

姜は羌であり異民族だ。

そもそも孔子は名前に畜生(犬とか牛とか羊とか)を入れてはいけない)

を入れてはいけないとしている。

「美」も羊が入っているため名前には使ってはいけないことになる、

姜も羊が入っており、これは異民族の姓の特徴だ。

 

太公望は羌であり異民族だ。

にもかかわらず侯爵の扱い、異民族なら子爵なのにそうしていない、

ということは姜=羌は異民族ではないということだ。

 

これからわかることは一つ。

周王室も羌だということだ、

自分たちの出身が羌であれば太公望も異民族ではないということになる。

 

周の文王は岐山を拠点とした。

その西側が羌族のエリアだ。

 

周はやはり羌族を由来とする。

 

異民族が中央政権になって、自分たちは異民族ではなくなったという

わけだ。

中国大陸にとっての異民族というのは、

今の政権にとって、自分たちとは「異なる民族」だという

程度の意味しかないことがこれからわかる。