歴史マニアのための魏晋南北朝史~歴史の真髄〜

三国時代から西晋、八王の乱、永嘉の乱、そして東晋と五胡の時代へ。

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王公・執権・九錫の三点セットが禅譲王手

王莽以来の禅譲に際して、

九錫のみが共通項である。

諸侯の最高位(王号など)は共通ではない。

政権における最高執権位(宰衡、丞相、相国など)も共通ではない。

 

孫権はこのような特別な最高執権位についていない。

 

九錫のみが共通項である。

 

禅譲直前の各人の叙任は下記の通り。

 

王莽 安漢公・宰衡・九錫

曹操 魏王・丞相・九錫

孫権 呉王・九錫

司馬昭 晋王・相国・九錫

 

なお、九錫とは天子(皇帝)にのみ許されている格式のものを許すというものである。

九錫の、「錫」は、「賜」と同じ意味であり、

九つの栄典を与えるという意味である。

 

①車馬

②衣服

③楽器(舞楽)

④赤門(朱塗りの門)

⑤納陛(階段。階)

⑥儀仗兵(虎賁)

⑦斧鉞

⑧弓矢

⑨酒

 

以上九つの栄典のことを指す。