「魚鱗」は集まれ!
「鶴翼」は広がれ!
戦国時代までは、
陣形と言うのは存在しなかった。
部隊部隊各々ある意味勝手に戦っていた。
持ち場はあったものの、各々の判断で戦う、
それが戦いであった。
そう、考えてみれば当然だ。
元々、疑問であった。
魚鱗の陣といっても、
そう簡単に先のとがった陣形をたくさんの人数で
形作れるのか。
鶴翼の陣もそうだ。
あんなV字型の陣形をすんなりとつくれるものなのか。
誰しも小学校で、ある一定の形を作るのは難しいという
経験をしたことがあるはずだ。
組み体操などのことだ。
歴史上の戦いは、
大体起伏のある地形で行われる。
だたっぴろいただの平野などまずありえない。
起伏がある土地で、
どうV字を作るのか。
訓練すればできるのかな、いや難しいだろというのが実感だ。
それが
集まれ!=魚鱗
広がれ!=鶴翼
と言われるとそれはとてもイメージができる。
むしろ魚鱗!と言われた方が、
何か軍勢を集めやすい。
何かの合言葉のようで何か集まりたくなる。
雁行の陣の謎もこれで解けた。
ななめにそれぞれ並ぶわけだが、
これがどういう意味なのか全く分からなかった。
攻撃されたら、全く意味のない陣形になる。
陣形というのはそもそも戦いに臨むための陣形という
先入観がここにはある。
しかし、軍勢の体型だと考えれば、
なるほど合点がいく。
~参考・引用図書:乃至政彦氏「戦国の陣形」(講談社)~