歴史マニアのための魏晋南北朝史~歴史の真髄〜

三国時代から西晋、八王の乱、永嘉の乱、そして東晋と五胡の時代へ。

v

法家政治の反動~正始の音2~

曹芳の即位後、魏は弛緩する。ゆるむ。

厳格な人生を歩んできた司馬懿は世から煙たがれる。

 

皇帝権という権力の空白

厳しい法家主義政治の窮屈さ

玄学清談の気風を産む 、「正始の音」という時代に差し掛かる。

曹爽と司馬懿の二人で皇帝を輔弼するという非現実的な体制。

 

→世代もことなり、実績も大きく異なる。

宗族の巻き返し

→皇帝権が弱まることで権力を握ることができた

 

独裁をして実績も挙げてきた皇帝が突如崩御。

これまで、

あまり表舞台に出ることのなかった宗族が

権力を突然握った。

法も厳しく窮屈な時代だったのが、

曹叡という重石が消えた。

蜀や呉の外患も落ち着いている。

もう少し大らかな世でありたいと思うのは、

全く不思議ではない。

 

そうした風潮の中、司馬懿は煙たがれたわけだ。

なぜなら、司馬懿はそうした厳しい窮屈な皇帝専制の時代に、

忠を尽くし着実に実績を挙げていたからである。

しかし、厳しく自分を律することを求められ、

そして実力で功績を得ることを求められる時代を

くぐり抜け生き残ったのは、司馬懿しかもう残っていなかった。

あくまで、出自・家柄は功績を掴むチャンスをもらうための

チケットに過ぎない。

後年の貴族全盛期とは異なる。

 

 

※正始の音・・・

魏の正始年間(240年ー249年)