曹芳の即位後、魏は弛緩する。ゆるむ。
厳格な人生を歩んできた司馬懿は世から煙たがれる。
皇帝権という権力の空白
厳しい法家主義政治の窮屈さ
玄学清談の気風を産む 、「正始の音」という時代に差し掛かる。
曹爽と司馬懿の二人で皇帝を輔弼するという非現実的な体制。
→世代もことなり、実績も大きく異なる。
宗族の巻き返し
→皇帝権が弱まることで権力を握ることができた
独裁をして実績も挙げてきた皇帝が突如崩御。
これまで、
あまり表舞台に出ることのなかった宗族が
権力を突然握った。
法も厳しく窮屈な時代だったのが、
曹叡という重石が消えた。
蜀や呉の外患も落ち着いている。
もう少し大らかな世でありたいと思うのは、
全く不思議ではない。
そうした風潮の中、司馬懿は煙たがれたわけだ。
なぜなら、司馬懿はそうした厳しい窮屈な皇帝専制の時代に、
忠を尽くし着実に実績を挙げていたからである。
しかし、厳しく自分を律することを求められ、
そして実力で功績を得ることを求められる時代を
くぐり抜け生き残ったのは、司馬懿しかもう残っていなかった。
あくまで、出自・家柄は功績を掴むチャンスをもらうための
チケットに過ぎない。
後年の貴族全盛期とは異なる。
※正始の音・・・
魏の正始年間(240年ー249年)